NEWS お知らせ

社長の社会保険加入:入れない場合とその影響について社労士が解説

社会保険料は、会社負担額と本人負担額を合わせると、収入(標準報酬月額)の約30%。

従業員ですと自己負担額は15%で、半分は会社が出してくれるとの説明でいいのですが、社長の場合は会社と一体なので実質30%になります。

今回は社長が社会保険に加入できる場合と加入できない場合の違いについて考えていきます。

社長が社会保険に入れない理由とその影響について

ビジネスの経営において、法律や労働者の雇用に関する情報は日本国内のものに限定されます。なぜ社長にも社会保険加入義務があるのか?ビジネスにおける法律や労働者の雇用に関する情報を理解することは、経営者にとって非常に重要です。

社長も従業員と同様に、社会保険に加入する義務があります。これは、社長自身は労働者ではないものの、会社に使用される立場であるからです。社長も労働者と同様、社会保険に加入する義務と保険給付を受ける権利を持ち、社会保険に加入することで自らの健康や将来の安定を守ることができます。

社会保険には、広義で健康保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険の4つの種類があります。この内、健康保険・厚生年金保険は狭義の社会保険、労災保険・雇用保険は労働保険といいます。
それぞれの保険を簡単に説明すると以下となります。

<社会保険>
健康保険 … ビジネスの経営者や従業員が病気やケガをした際の医療費を補償する保険
厚生年金保険 … 将来の年金を支給するための保険で、ビジネスの経営者や従業員の老後の生活を支える役割がある

<労働保険>
労災保険 … 従業員が労働中のケガや病気による障害や死亡に対する補償を行う保険
雇用保険 … 従業員が失業や休業で就労できなくなった時の補償をする保険

この内、労働保険である労災保険、雇用保険には社長は加入することができません。社長が加入できるのは、社会保険である健康保険・厚生年金保険です。

この記事では、以下健康保険・厚生年金保険を社会保険として説明します。

社長が社会保険に加入することで、自身や従業員の健康や将来の安定を守ることができます。また、社会保険に加入することで、ビジネスの信頼性や安定性を高めることもできます。ビジネスを経営する上で、社会保険に加入することは、社長としての責任としても重要な要素です。ビジネスの成功には、法律や労働者の雇用に関する情報を正しく理解し、適切に行動することが不可欠です。

なぜ社長にも社会保険加入義務があるのか?

社長にも社会保険加入義務があるのは、社長は労働者ではないものの、会社に使用され、経営という業務に労働に従事しているからです。

社会保険は、会社に使用される者が病気やケガによる医療費や給与の一部を補償するための制度です。労働者だけではなく、社長や役員も同じように社会保険に加入する必要があります。まずは社長自身が加入し、加入義務のある従業員も社会保険に加入する手続きをすることが、従業員からの会社に対する信用につながります。

社長が知るべき社会保険の種類と入れない場合の影響

次の、社長が社会保険に入れない理由とその対策について、お伝えします。まず、なぜ社長にも社会保険加入義務があるのかを説明します。社長も従業員と同じく、会社に使用される立場であるため、社会保険に加入する義務があります。

社会保険には、健康保険、厚生年金保険がありますが、社長がこれらに入らない場合、さまざまな影響があります。例えば、病気や怪我で働けなくなった場合、医療費や生活費を自己負担しなければならなくなります。また、将来の年金受給額も減少し、失業した場合の手当も受けられなくなります。

社長が社会保険に入れない場合、これらのリスクを自己負担しなければならないことになります。創業当初で収益が上がらない場面では、社会保険に加入することが経費の無駄に思うこともあるかもしれませんが、まずは社長自身が社会保険に加入することが重要です。

社長が社会保険に入れない場合の条件

とはいえ、社長が社会保険に入れないケースがあります。役員報酬をもらっていない場合は、社長自身が社会保険に加入することができません。その場合は、国民健康保険や国民年金へ加入することになります。

また、自営業を行っている個人事業主は、社会保険に加入することができませんので、国民健康保険や国民年金への加入が可能です。

社長が社会保険に入れない場合のメリットとしては、保険料の負担が軽減されることが挙げられます。社会保険に加入すると、一定の保険料を支払う必要がありますが、加入しない場合はその負担がなくなります。

一方、社長が社会保険に入れない場合のデメリットとしては、万が一の事故や病気などに対する保障が受けられないことがあります。社会保険に加入することで、医療費や給付金などの保障を受けることができますが、加入しない場合はその保障が受けられません。

以上から、社長が社会保険に入れない場合は、役員報酬の有無や自営業の有無、条件を満たしているかどうかなどを考慮し、適切な手続きを行う必要があります。保険料の負担を軽減するメリットがある一方で、保障が受けられないデメリットもあるため、慎重に判断することが重要です。

国民健康保険や国民年金への加入が可能なケース<

社長が社会保険に入れない場合の条件にはいくつかのケースがあります。役員報酬をもらっていない場合は、社会保険に加入する必要がありません。ただし、国民健康保険や国民年金への加入は可能です。国民健康保険は、自営業者や個人事業主などが加入できる制度であり、役員報酬が無く社会保険に入れない社長もこれに該当します。また、国民年金も同様に加入が可能です。社長が社会保険に入れない場合でも、国民健康保険や国民年金に加入することで、一定の保険制度の恩恵を受けることができます。

社長が社会保険に入るのと国民年金・国民健康保険に加入する違いについて

社会保険に加入することは、企業と社長にとってさまざまなメリットがあります。まず、健康保険に加入することで、病気やケガによる医療費の負担を軽減することができます。また、厚生年金保険に加入することで、将来の老後の生活を安心して送ることができます。

役員報酬の無い社長や個人事業主の場合、残念ながら健康保険・厚生年金保険に入ることができません。その代替として、国民健康保険・国民年金に加入することとなります。

国民健康保険に加入することで、病気やケガによる医療費の負担を軽減でき、国民年金に加入することで、将来の老後の備えになるという意味ではどちらも同じということができます。

ですが、両者には大きな違いがあります。

健康保険と国民健康保険の違い

病気やケガによる医療費の負担を軽減できるという意味では、健康保険も国民健康保険もどちらも同じです。ですが、健康保険には、傷病手当金や出産手当金という収入補償にあたる給付があるのに対し、国民健康保険にはありません。

傷病手当金はケガや病気で、出産手当金は出産のために会社を休んだ時に受け取ることのできる保険金です。社長の場合は、会社を休むという概念自体が無いので、ケガや病気であっても出産であっても役員報酬を受け取ることでしょう。
ですが、一時的に社長を交代して休業し、役員報酬を受け取ることができなくなった時、健康保険に加入していると、傷病手当金や出産手当金を受け取ることができます。

役員報酬が無い社長、個人事業主が加入する保険は、国民健康保険になるので、ケガや病気、出産で仕事ができなくなった場合に収入を補償してくれるものがありません。

健康保険に加入できない場合は、必要に応じて民間の保険活用をご検討ください。

厚生年金保険と国民年金の違い

厚生年金保険、国民年金のいずれも、老後の生活の支えとするための保険です。

2階建ての仕組みになっており、1階は国民年金、厚生年金保険共通、2階は厚生年金保険に加入していた人のみ受け取ることができます。

1階が老齢基礎年金、2階が老齢厚生年金で、国民年金のみの人は1階の老齢基礎年金だけなのに対し、厚生年金に加入していた人は1階の老齢基礎年金、2階の老齢厚生年金共に受け取ることができるので、両社では大きな差が出ます。

その他、障害を負った際の障害年金やご家族が死亡された際の遺族年金があります。
いずれも、国民年金と厚生年金保険では大きな差があります。

国の年金制度は、条件から外れない限り生涯給付されます。さすがに民間保険で代替となるものを探すのは難しいです。

まとめ

社長ご自身、個人として社会保険料を納めるのはもったいないと感じられることがあるかもしれません。ですが、従業員から社会保険料の本人負担分を徴収するとともに、従業員分の社会保険料の会社負担分を納める経営者としての立場もあります。
従業員の中には社会保険の制度をよく知らずに、「給料から引かれた!」と会社に不満をぶつかる方もいます。
社長ご自身が社会保険に入ることによる意味をご理解いただき、従業員のケガや病気、それに将来のために会社も保険料を納付していることをしっかりと説明していただきたいと思います。


当社労士事務所は大阪、堺市、を中心に様々な企業の問題に取り組んでおります。


【関連記事はこちら】

社長の社会保険加入:入れない場合とその影響について社労士が解説

中小企業社長必見!Wワークと社会保険の二重加入問題を大阪の社労士が解説

お知らせ一覧に戻る

CONTACT
お問い合わせ

採用・定着・人事労務など
お気軽にご相談ください

※個人の方からのお問い合わせは
 受付しておりません。ご了承下さい。