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「中途採用者が期待外れ」を防止する、今すぐできる3つの方法を大阪の社労士が解説

「採用した中途採用の社員が期待外れ!」中小企業の経営者の方ならこのようなご経験をお持ちではないでしょうか。期待外れの原因は大きく2つあります。1つはフォロー体制が整っていないこと。ですが本来採用してはいけない人を採用してしまうこともあります。今回は、採用してはいけない人を採用しない、すぐに出来る3つの方法を解説します。

期待外れの中途採用者とはどういう存在か?

中途採用は、企業が即戦力を求めたり、特定のスキルや経験を持つ人材を確保するために行います。しかし、採用後に期待通りの業績を上げてくれる人材ばかりではありません。期待とのギャップから「期待外れの中途採用者」という状況が生まれることがあります。この期待外れの中途採用者とは、具体的にどういう存在なのでしょうか。背景とともに考察してみましょう。

中途採用が期待外れとなる理由

中途採用が期待外れとなる背景には大きく2つの要因が考えられます。

1つは、中小企業で即戦力という幻想です。中途採用で人材を採用する際、即戦力を期待するケースが多いかと思います。即戦力であるからには特別な教育や研修をしなくても成果をあげてくれると考えられる方が多いですが、それは誤解です。

優秀な人材であっても、フォロー体制が整っていなければ活躍できません。

2つ目、本来採用してはいけない人材を採ってしまうことです。

2:6:2の法則にもあるように、人材は大きく3つの分かれると言われます。

■上位2割:自分で火を点け燃やせる人材(自律型人材)
■中位6割:火を点けてやれば燃える人材(フォローすると活躍する人材)
■下位2割:火を点けても消える人材(採用してはいけない人材)

残念ながら下位2割の人材は、フォロー体制を整え、教育しても活躍できません。
このような人材を採用しないようにすることが重要です。

期待外れの影響:経営者・従業員・会社全体に及ぶリスク

期待外れの中途採用者がもたらす影響は、単なる採用コストの増加だけではありません。
経営者、従業員、会社全体に及びます。

1.経営者への影響
採用の失敗は、経営者の意思決定や人事戦略の見直しを迫ることとなり、経営にストレスを感じることが増えます。

2.従業員への影響
期待外れの中途採用者とのコミュニケーションや業務の調整により、他の従業員の業務負荷やストレスが増加することが考えられます。

3.会社全体への影響
期待外れの中途採用者が担当する業務に遅延やミスが生じることで、会社全体の業績やブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性が考えられます。

これらの影響を踏まえると、期待外れの中途採用者を出さない努力が重要になります。

期待外れの中途採用者を出さないためには?

では、御社から期待外れ人材を出さないために、どんな方法があるでしょうか?

まずはフォロー体制をしっかりと整備することです。
具体的な方法は、こちらでくわしく解説しています。
  ↓    ↓
社労士が解説する、なぜ即戦力人材が期待外れに終わるのか?

とても大切なことで実行していただきたいのですが、今すぐ効果的に実行するという意味では難しいです。

また、下位2割の人材にはどれだけフォローしても残念ながら活躍が期待できません。
採用しないことが重要です。

では、そのような人材を採用しないためにはどのような方法があるでしょうか?
真っ先に思い浮かぶ方法は採用面接のやり方ではないでしょうか?
しっかりと相手を見抜くことが大切だと。

ところが、どれだけトレーニングしても1時間程度の面接で全て理解することは不可能です。ましてや中小企業の場合は、見抜くことよりも相手を自社のファンにすることを最優先にした面接をしなければ、求職者に逃げられてしまいます。採用面接で相手を見抜こうとするのはかなりハードルが高いと言うほかありません。

自社のファンにする面接方法はこちらから
  ↓   ↓
社労士が解説する、採用面接の進め方・質問内容

それをカバーするものとして、適性検査があります。

適性検査と一口に言っても、様々なものがありどれも一長一短あります。
その中で、私がお薦めしている適性検査はこちらで紹介しています。
 ↓   ↓
社労士がおすすめする、採用時の適性検査3選

適性検査では、その人の傾向がわかるのですが、これまで何をしていたかまでは判明しません。ある意味もどかしさが残るのも事実です。

そこで、今すぐ実行でき、しかも効果があるという方法を3つご紹介します。

今すぐできる、期待外れ人材の採用を防止する3つの方法

用活動は、企業にとって非常に重要なプロセスです。間違った人材を採用してしまうと、企業全体に大きな悪影響を及ぼすリスクがあります。そのため、期待外れの中途採用者の採用を防止するための戦略的なアプローチが求められます。以下では、すぐに実行でき、しかも効果の高い3つの方法について解説します。

採用調査(バックグラウンドチェック)の重要性とその進め方

まず1つ目は採用調査で、バックグラウンドチェックとも言います。例えば、採用を考えている候補者の職歴に、あなたの知り合いが社長をされている会社があればどうしますか?
その候補者について聞いてみようと思いますよね?
・実際に勤務していたのか?
・どんな働きぶりだったのか?
このようなことを採用選考の1つとして行っていくのが採用調査です。
専門の調査会社を利用することで、応募者の前職での働きぶりなど、より詳しい情報を得ることができます。

体験入社をすることで会社、応募者双方にとって有効

応募者が実際に業務を体験することで、その人の業務への適性や社内での適応力を確かめる方法で、「期待外れ人材」の採用防止に効果的です。

体験入社には、次の効果があります。
・企業と応募者の双方が、実際の業務内容や職場環境を確認できる
・応募者の即戦力や問題解決能力をリアルタイムで確認することができる
・職場体験を通じて、応募者とのコミュニケーションを深め、相性を確認することができる

また、取り組み例として次の方法があります。
・一日体験型のインターンシップを実施
・実際の業務を担当してもらい、その成果を評価
・チームワークを試すためのグループワークを設ける

実際に仕事を体験することで、会社側だけでなく、応募者にも自分にとって合う会社かどうか確認できるので、この選考を通過して入社した人材は定着率も高くなる傾向があります。

契約期間を定めた雇用契約からスタートする

3つ目は、採用する際のポイントとして契約期間を定めた雇用契約からスタートすることです。正社員は定年までの雇用であるのにたいし、有期雇用契約といいます。

有期雇用契約にすることで、期間中の働きぶりに問題がなければ契約を更新、あるいは正社員に登用することもできます。

問題があると判断された場合は、契約期間の満了という形での退職となります。

採用してはいけない人材を採用してしまった場合も、実際の働きぶりを見て判断できるので安心です。

採用調査(バックグラウンドチェック)の具体的方法と注意点

採用調査(バックグラウンドチェック)は、採用しようと考えている候補者の職歴にもとづき、同僚や上司などの関係者から、その人について調査をする方法です。
実際に在籍していたかや、その人の働きぶりまで聞くことができます。特にトラブルがあった場合などは、採用調査で判明することが多いので、調査会社に依頼するだけでその人の行動が具体的にわかり、判断がしやすいという利点があります。

採用調査(バックグラウンドチェック)は違法でない!

このような話をすると「採用調査は違法では?」と疑問を持つ方も多いかもしれませんが、結論から言うと違法ではありません。
とは言え、本人の家柄や出生地など、本人の経歴や職能以外の調査をするなど、調査内容や調査方法によって違法になる可能性はあるので、信用できる調査会社に依頼することが大切です。また、あらかじめ応募者に採用調査を行う可能性があることを伝えるなどの配慮も必要です。

衝撃の事実!3人に1人が履歴書に虚偽や懸念事項がある

採用調査を実施している調査会社の1つに株式会社企業サービス様があります。
同社の調査内容によると、最終面接に残った応募者を調査したところ、約32%に虚偽や懸念事項等何らかの問題を抱えているということです。

内訳として、
1位 経歴詐称 35%
2位 金銭トラブル 17%
3位 性格面 16%
(対人関係、責任性など)
4位 能力不足 15%
5位 メンタル不足 12%

以下、就業態度、異性関係、出勤状況…と続きます。

最終面接に残った応募者が対象なので、それまでに面接でスクリーニングをかけているのは間違いありません。それでもこの結果ですから、かなり衝撃的な事実と言えます。

詳しくはこちらから
  ↓   ↓

信用できる調査会社は?費用はどれだけかかる?

採用調査を調査会社に依頼する場合、実績があり信用できる会社であることが大切です。
私は、クライアント企業から相談を受けた場合、先ほど例にあげました株式会社企業サービス様をご紹介しています。50年近くの実績があるので安心です。
(株式会社企業サービス様のリンク先は下段に貼付します。)

調査費用は1件38,000円で、中2日で調査結果が出ます。

もし、前職で問題を起こしている、採用してはいけない人材を採用してしまった時のトラブルを考えると、価値は高いと思います。

同社の担当者によると、採用後トラブルが起きてから依頼をされる会社が圧倒的に多いようですが、一旦採用してからだとどうすることもできません。採用前の実施をお薦めします。

また、採用調査の他にもリファレンスチェックという方法もあります。
応募者から前の職場の上司や同僚を数名推薦してもらい、その方達に応募者の職場での働きぶりを確認する方法です。

応募者から推薦してもらった方に確認するという面では、安心してできる方法ではあります。

やり方としては、メールでのアンケート方式と直接インタビューをして行う方法があります。アンケート方式は安価でできるものの、元々関係性の悪くない方達ということもあり、本当の姿が出にくくなります。
インタビュー形式では、インタビュー担当者の質問力が重要になります。その点、専門会社に依頼すると、熟練した担当者が上手く引き出してくれるので、前職での働きぶり具体的にわかります。
反面、高額になるので中小企業にはちょっと手を出しにくいかもしれません。

体験入社の実施方法を注意点

採用調査(バックグラウンドチェック)は、専門の調査会社に依頼することで、応募者がこれまでの職歴に中で、どのような働きぶりであったのかを具体的に確認することができます。

とは言え、実際に一緒に仕事をしてみてわかることもあります。
そこでお薦めするのが2つ目の方法である体験入社です。

体験入社の具体的なやり方

体験入社には主に次のやり方があります。
・一日体験型のインターンシップを実施
・実際の業務を担当してもらい、その成果を評価
・チームワークを試すためのグループワークを設ける

すぐにでも実行するということであれば、実際の業務を担当してもらうと良いのではないでしょうか?特に難しいものではありません。

私のクライアントの中でも体験入社を実施している会社があります。
例えば、訪問介護を運営する会社では、社員が訪問介護に出る際に同行してもらっています。

面接をして良かったと思ったものの、実際に仕事をしてみると違和感を覚えたので見送りということがあります。
もちろん、求職者側から、イメージとのギャップがあったということで辞退ということもあります。

その時は残念、と思うでしょうが、入社してから辞められるよりは、いいと思います。

また、職場の雰囲気や、先輩社員がどんな人なのかも肌で感じてもらえるので、体験入社という採用選考を通して志望度を上げることもでき、定着にもつなげることもできます。

体験入社は給料が必要か?

体験入社をした場合、給料は必要なのでしょうか?
その判断基準は、「労働者」に該当するかどうか?です。

一般的には、
・会社と本人との間に指揮命令関係があること
・その作業によって得られる利益・効果が、会社(使用者)に帰属すること

この2つを満たした場合、労働者に該当するとされます。

要は、何をするかによって変わる、ということです。

会社見学程度のことでしたら労働者とはならないので、給料を支払う必要はありません。

逆にしっかりと仕事をしてもらう、ということでしたら労働者になるので、給料が必要ということになります。

実際のところ、この間のどこかに位置することになるでしょうから、個別の状況に応じて判断するしかない、となります。

ですが、 私は1日アルバイトという位置づけで給料を支払うことをお薦めしています。

理由としては2つあります。

1つ目は、採用選考として判断するなら、実際の仕事ぶりを見ないと判断できないと思います。給料を払わないギリギリの線で、とは考えずにアルバイト代として支払い、仕事をしてもらった方がいいのではないでしょうか。

2つ目は、万一ケガをした場合、労働者という位置づけで仕事をしてもらっている場合は
労災の対象となり得るからです。(実際に労災認定されるかどうかは、そのケガと業務との関連性によります。)

ケガをしたにもかかわらず、仕事ではない(労働者ではない)ので、会社として何もしません、とはなかなか言えないでしょう。

もし、給料を払わない場合、民間の損害賠償保険には加入されている方が無難です。

正社員ではなく有期雇用契約でスタートする

採用してはいけない人材を採用しないために、ここまで採用調査(バックグラウンドチェック)、体験入社の2つを紹介しました。
最後の1つは、採用時に有期雇用契約でスタートすることです。この話をすると、中小企業社長の3人に2人は「試用期間」のことですよね?と言われます。
ですが、全く違います。

試用期間はお試し期間ではありません

試用期間は、そのまま解釈すると「お試し期間」です。
試用期間は3か月間に設定している会社がほとんどですが、3か月間様子をみて、想定していたほどの仕事ができないと思ったら、本採用前に断ればいい。
そう考えるのは大きな間違いです。

試用期間の本来の意味は、正社員として定年まで雇用することを前提として、適性や能力を持っているか企業が見極めるため設けている期間です。
試用期間中に本採用を断るのは、解雇になります。

確かに、本採用後よりも解雇権を行使できる範囲が広くなるのは間違いないのですが、解雇である以上ハードルは高いです。

本採用を見送りたくなるケースとして
・勤務態度が悪い
・能力が劣っている
という理由が多いのではないでしょうか?

でも、これらはかなり難しいです。
勤務態度を客観的に証明するのは困難ですし、能力不足も試用期間(通常3か月)で結論を出せるものではありません。そのような理由から、試用期間で本採用を断るのはよほどのことが無い限り難しいといえます。

そこで、有期雇用契約での採用を検討いただくのが有効な方法です。

有期雇用契約とは、契約期間を定めた上で雇用契約を締結する方法です。契約期間は、3か月間、6か月間など様々ですが、あらかじめ契約更新の有無や更新する場合の条件等を設定するのが一般的です。

契約期間満了時に会社、本人の合意により契約を更新することができます。その際、正社員に登用することもできます。
逆に、勤務姿勢等に問題があり、契約更新の条件を充たしていないのであれば、契約更新をせず、期間完了で退職となります。

解雇ではなく、単に契約期間が満了したという理由での退職です。

万一、採用してはいけない人材を採用してしまった場合も、契約期間満了により退職していただくことになるので、リスクを最小限に抑えることができます。

有期雇用契約のメリット

有期雇用契約のメリットは、リスクを最小限に抑えることができるという後ろ向きのものだけではありません。
あらかじめ設定した期間で契約更新、契約期間満了の答えを出すことになるので、なんとかハードルを越えようという意識になり、6割の中位の人材の場合であってもより成長を期待できます。

さらに、有期雇用契約を経て正社員に登用した人材には、雇用保険のキャリアアップ助成金を受給することができます。具体的な要件はここでは割愛しますが、1人の人材につき57万円の助成金を受給することもできるので、有期雇用契約はそういった意味でも活用していただきたい方法です。

まとめ

期待外れの中途採用者を避けるためには、採用前の準備や戦略が非常に重要となります。採用調査、体験入社、有期雇用契約という3つの方法をうまく組み合わせることで、より適切な人材を採用し、企業の成長をサポートすることが可能となります。このような方法を取り入れて、賢明な採用活動を行っていただけると幸いです。


当社労士事務所は大阪、堺市、を中心に様々な企業の問題に取り組んでおります。


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