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社労士が激白、中小企業の人事制度導入はタイミングが大事!

人事制度を導入したい、あるいは見直したい。
ではいつやるのか?
「今でしょ!(古い!)」と言いたいところですが、ちょっと待ってください。
人事制度を導入するにはタイミングが大事。今回は人事制度導入のタイミングについて解説します。

■社労士が助言、業績アップしている時が人事制度導入のタイミング

人事制度を導入することによって、人材の成長や組織力アップ等、会社をプラスの方向に持っていきたいということでしたら、タイミングがとても重要になります。

ズバリ、業績アップ時など、会社がプラスの方向に向かっている時が、人事制度導入・見直しのチャンスです。すぐにでも導入に向けて動かれるといいでしょう。

逆に、業績ダウン時は、できれば慎重になられた方がいいかもしれません。それでも「今しかない」との判断であれば進めていただいていいのですが、こらから先の内容を把握した上で取り組まれることをお薦めします。

なぜ、業績アップ時がいいかというと、人事制度を導入する際、「社員の感情」と「一時的な人件費増」という大きな2つの壁を乗り越える必要がありますが、業績アップ時の方がはるかに乗り越えやすいからです。

■社労士が経験、人事制度導入時期を間違えて失敗した例

まず、1つ目の壁である「社員の感情」。

以前、社員数約30名の企業から依頼され、人事制度構築支援をすることになりました。
社長から現状の問題点や理想とする未来の姿をヒアリングし、制度設計の方向性を決めました。具体的は構築に入る前に、まずは社員へのキックオフ発表会です。

人事制度を導入することは、それまでにも社長から社員の方たちに話をされてたこともあり、「きっと喜んでもらえるだろう」、そう思っていたのですが、どうも社員の方たちの表情が冴えないんです。

あとで確認しましたら、2期連続業績がダウンしていたということで、社員の方たちは「人件費を削減するために人事制度を導入する」と思っていたようです。

社長自身は、「業績がダウンしている時だからこそ」なのですが、全く逆に受けとめられていました。
「下衆の勘繰り」なんて言い方をすると怒られそうですが、社員の中にもプラスで受け止める方、マイナスで受け止める方がいますが、特に業績がダウンしている時はマイナスに流されやすいんです。
社長の思いって、想像以上に社員はわかってくれものです。

このプロジェクトは、一旦保留にしました。

■社労士が解説、人事制度導入時は人件費がアップする

2つ目の壁は、人事制度導入時は人件費がアップすることです。
人事制度を導入または見直しをする場合、通常給与規程の改訂を伴います。
改訂によって、どうしても収入が減少する人が出てきます。
給料を払い過ぎていた人たちです。

そこで、何が問題になるかと言えば、給与規程の「不利益変更」です。
規程変更が不利益にとなる場合は、変更する合理的な理由がなければ、その規定の変更は無効と判断されるからです。

合理的と判断される為には、最低限給与規程の改訂によって、人件費総額がプラスになっていることが望ましいです。まず、ここで人件費がアップします。

収入減少者には時限的配慮が必要

更に、収入が減少する人に対しては、時限的に調整給などを支給してマイナスにならないよう配慮をするのが一般的です。
せっかく会社をよくしていきたいと思って導入した人事制度が、一部の(給料を払い過ぎていた)社員によって邪魔されるのは避けたいですから。

そうすると、ここでも人件費がアップしてしまいます。

人件費の総額については、シミュレーションをすれば微増に押さえることもできますが、収入が減少する社員の個別対応については、意外に大きな金額になることが多いです。

業績がアップしている時が良いというのは、その為です。

■まとめ

今回は人事制度導入のタイミングについて解説しました。
業績アップ時の導入がやりやすいのですが、そう言ってられないことも有ります。
業績ダウン時に人事制度導入をする際は、人件費のアップを受け入れていただくことと、社員への説明を丁寧にしていただきたいと思います。

当社労士事務所は大阪・堺市を中心に様々な企業の人事・労務問題に取り組んでおります。

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