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繁忙期でも有給休暇は拒否できない?大阪の社労士が経営者の疑問に回答

年次有給休暇の扱いについて悩んでおられる中小企業の社長は多いのではないでしょうか?

有給休暇を計画的にしっかりと取得する。それで従業員の生産性が上がれば納得もできるでしょう。
ところが、職場が忙しい日を狙うように有休申請をしている従業員もいるようです。
大阪で社労士事務所を運営する社労士が、そんな経営者の疑問に答えます。

■経営者が有給休暇の取得を拒否できるのか?

年次有給休暇について、こんなことで困ることはありませんか?

・月末月初の忙しい日に休みます、と言われた
・いきなり明日から1週間休みます、と言われた
・別の従業員が予定している日に休暇をぶつけられた



「大企業ならまだしも、うちのような中小企業、零細企業でそんなことをされると経営が成り立たない!何とか拒否できる方法なないのか?」
そう思ってネットで調べてみると、どれを見ても拒否できない。という文字ばかり。
どうしたらいいのか?

この記事を読んでいただいているあなたは、きっと日頃から従業員のことを気にかけておられる方なんだと思います。

従業員の多くは、そんなあなたの気持ちを汲んで無茶な有休は取らないでしょう。

「できれば従業員が希望する日に気持ちよく休暇を取らせてあげたい。でも、いくらなんでもそれはあんまりでしょ!もうちょっと会社のことも考えてよ」

私は日頃から社長からのお困りごとの相談を受けていますが、皆さんそうおっしゃいます。
そこで、私がお答えしていることをお伝えいたします。

■繁忙期の有給休暇を別の日に変更する2つの方法

繁忙期に有給休暇の申請があったとしても、会社は拒否することはできません。ただ、変更してもらうという方法はあります。その2つの方法について説明をいたします。

会社の時季変更権を行使して有休取得日を変更する方法

まず1つ目は、時季変更権と行使するという方法です。
年次有給休暇の時季変更権は、従業員が取得を希望する有給休暇の日を、経営者側が事業の運営に重大な支障が生じる場合に、変更することができる権利を指します。

ここでのポイントは、業務の運営に重大な支障が生じるという条件があるということです。

月末月初の忙しい日に休まれると、経営者としては困りますよね?
「事業の運営に支障が生じる!」と言いたいお気持ちはわかるのですが、問題は重大なと言えるかどうかです。会社の規模、その従業員の職場での役割や業務の内容等の事情によっても異なるので一概には言えないのですが、一言で表すと、その日の有給休暇取得により会社が倒産してしまう
というくらいのレベルです。ですので実際に行使できる場面は極めて限定されます。

従業員と交渉して有給休暇取得日を変更する方法

2つ目は「その日は忙しいので別に日に変えてもらえないか?」と従業員と交渉して変更してもらう方法です。

これは小さな店舗ではよくある方法です。従業員Aさんが休みを取っている日に、従業員Bさんが体調不良で出勤できない。
そんな時に、先に休みを取っていたAさんに、「悪いけど、今日出勤してもらえないですか?」と頼み、Aさんが承諾して出勤する。この場合はAさんが有休を取りやめ、出勤日に変更することになります。

ここでのポイントは、命令では無いので強制力がないということ。応じるか応じないかの判断は、従業員に委ねられている限りは問題とはなりません。もちろん応じなかったからということで不利益な取り扱いをしてはいけません。

実務上は、この方法を使う機会が圧倒的に多いかと思います。

■社労士が提唱する会社の発展につながる第3の方法は、そもそも教育

ここで、とっておきの第3の方法をお伝えしたいと思います。
上の2つが対症療法であるとしたら、教育は根治療法とも言えます。

それは、簡単に言うと、従業員へのそもそも教育です。
「なんやねん、それ!」と言われそうですので、以下説明させていただきます。

そもそも有給休暇は何のためにあるのか?

1つ目は、そもそも有給休暇とは何かです。

有給休暇とは、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために労働基準法で定められたもの。言い換えると仕事を休んでも給料を保証します。だから安心して休み、リフレッシュしてくださいね、という制度です。

その前に、雇用契約とは何かを考えてみましょう。
雇用契約とは会社と労働者とで取り交わされる契約で、労働者が労務を提供することにより、会社(使用者)は賃金を支払うという契約です。

そこには様々は権利と義務が発生しますが、簡単言うと、労働者には会社の発展のために労働力を提供する義務があるということです。

とはいえ、会社(使用者)と労働者の力関係は圧倒的に、会社側が強いので、ややもすると会社の発展のために、労働者が犠牲になるということにつながりかねません。

だからこそ、労働基準法でその力関係が保てるように様々な規制をしています。その1つが年次有給休暇のルールです。

会社の発展という基本になる考え方を無視し、自分勝手に有休を申請して会社の事業運営に影響するとしたら本末転倒です。

その基本の考え方を教育する必要があると考えています。

権利とは何のためにあるのか?

最近は「労働者の権利」を主張しやすくなっており、それに頭を抱える経営者の方も多いのではないでしょうか?
有給休暇もその1つ。忙しい日であっても、権利ですから。と言われると、なかなか言い返せません。

そこで、そもそも権利とは何のためにあるのか?を考える機会を設けてはいかがでしょうか?
私は、力関係によって不当な扱いを受けない、言い換えると弱肉強食の世界にならないために権利があるのではないでしょうか?

例えば、バーのカウンターで1人飲んでいました。
カウンター席で、空席は自分の両隣の2席のみ。そんな時に、強面のおっちゃんが入ってきて、「お前、邪魔やからどけや!」と言われたら、たまりませんよね。

そうならないように、占有権という権利があり、先に席を占有している人が優先されるようになっています。

逆に、2人連れのカップルが入ってきたとしたらどうでしょうか?
「席譲っていただけませんか?」って。
隣の席に移動して、座れるようにしてあげますよね?

でも、こう主張することもできるわけです。
「私には占有権があります。あなたたちは隣の席に座りたいのかもしれませんが、私の権利を侵害することはできないのです!」

正論と言えば、正論です。

でも、不当な扱いを受けないという趣旨からは外れてますよね。

権利という力を、趣旨から外れたる使い方をすると、不利益を受ける人が現れてしまいます。

有給休暇も同じ。
「新人が有休を使うなんて100年早いわ!」
「ワシの若いころは有休なんて無かった!」
のようなことを言われた時こそ、「有休って権利ですよね!」と主張すればいいんです。

それを、何が何でも自分の都合を押し通すというのは趣旨から外れますし、それによって周囲の方たちが不利益を被ることになります。

そんな話をしてみてはいかがでしょうか?
とは言っても、なかなか社長からは言えない内容になると思います。
社会保険労務士、その他専門家に依頼してみてはいかがでしょうか?

中小企業、零細企業社長求められる日頃からの社員教育

上記2つの、そもそも教育によって、10人中8人の方はわかっていただけます。
でも、どうしても理解してくれない方もいます。

その方に対してはどんな対応ができるでしょうか?

「明日から来なくていい!クビや」
こんなことは絶対に言わないで下さい。

「給料を下げる!」
気持ちはわかりますが、有休という権利を使っただけなので、問題があります。

社長、経営者にできることは1つだけ。
指導・教育をすることです。


とはいえ、有休の取り方を指導・教育するのではありません。

そんなことをすると、権利の侵害に当たります。

おそらくこのような方は、有休だけでなく色んな面で、考え方や言動が会社の発展というベクトルから逸脱していると思うんです。

その1つ1つの言動に対して、表面的なことでなく、考え方から指導していくということです。

例えば、お客様に失礼な応対をした。

その場合は、多くはその応対を注意するのではないでしょうか?

そうではなく、
・今の応対はどのような考えでやったのか?

・それによって、どのような影響があるのか?

・あなたの仕事、役割のそもそもの目的は何なのか?

・その目的から考えて、今の対応はどう思うのか?

こんなことを、細かく、何度もやっていくしかないと思います。

面倒だとは思いますが、言われる方も面倒です。

改善に向かうか、本人から辞めるか、それでも開き直るかの3つしかありません。
労働条件的に恵まれた大企業の場合、開き直るケースも多いでしょうが、私が見る限り中小企業の場合は、開き直ってまで会社に留まるという方は少ないように思います。

雇用契約を締結し、給料を支払っている以上は、それに見合った仕事をしてもらえるように、しっかりと教育していただきたいと思います。

■まとめ

今回は、繁忙期の有給休暇を拒否できるか?という問題を取り上げました。
法律論だけで考えると、どうしても限界があります。
物事を本質の部分に掘り下げて考えてみたり、ちょっと論点をずらて対応してみたり、という教育を考えてみていただければと考えています。

当社労士事務所は大阪、堺市、を中心に様々な企業の問題に取り組んでおります。

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