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社労士がホンネで解説!50人以下の中小企業に人事評価制度は必要か?

中小企業の発展に必要とされている【人事評価制度】果たしてこの制度は本当に必要なのか?今回は、従業員50人以下の中小企業に人事制度が本当に必要かどうかを現役社労士としてホンネで述べさせていただきます。

■50人以下の中小企業に人事評価制度は不要!!だったんですが・・・!

大企業ではほぼ導入されている人事評価制度ですが、中小企業になるとまだ導入されていないところも多いかと思います。
データとしては古いのですが、平成14年雇用管理調査(厚生労働省)によると、従業員数30人~99人の企業で39.4%、導入予定を含めても52%と全体の半数に留まります。

50人以下の企業の経営者にとって、ホントに人事評価制度は必要なのかな?
そう思われている方も多いのではないでしょうか。

結論から申し上げますと、人事評価制度は必要ありません。
社長が全員を把握できるなら”鉛筆なめなめ”でいいです。

実際、私が普段関わっている企業の大半は50人までの企業ですが、人事評価制度を導入している企業は1~2割程度。
社長が“鉛筆なめなめ”で評価しています。

人事評価制度を導入する理由として
「評価が不公平」
「評価基準が不明確」
このような理由で導入するのなら必要はありません。
というか、人が評価以上どんなに緻密な制度を作ったとしても、この2つの問題は解決しません。

それよりも社長が全員のことをしっかり考えて評価し、「ご苦労さん!」そう声をかけてあげればそれが一番の動機づけになります。

ところが、今後の社会状況を見ていくとそうは言えなくなりました。
50人未満の企業こそ人事評価制度を導入が必要となりました。


その理由として2つ挙げられますので次に解説していきますね。

■上記を考察した上で、中小企業に人事評価制度が必要な2つの理由とは?

若者の採用は至難の業

今後の経営環境を考える上で最も重要になるのが労働力の減少。
グラフのように人口が減少する中で、特に若者が減少が顕著です。

20歳人口を例にとってみると、
・20年前 157万人
・今年   124万人
・20年後  87万人
更に遡ると、今働き盛りの団塊ジュニアが20歳を迎えた1994年は207万人ですので、20年後は約4割にまで減ってしまいます。

コロナ禍で今、一時的に採用が出来ている企業もあるかもしれませんが、中長期で見ると若手の採用は至難の業です。

良い人材は、途中辞めること無く長く活躍し続けてもらう。
このことを考えていく必要があります。

70歳まで社員の面倒を見なければならない

一方で、今年の4月から『高年齢者雇用安定法』の改正により、70歳までの就業確保措置が努力義務とされました。
現状65歳までの雇用確保措置を70歳までの延長し、次のいずれかの措置を取ることとされています。
①70歳までの定年年齢引上げ
②定年の廃止
③70歳までの継続雇用
④70歳まで業務委託契約を締結等

簡単に言うと、一度採用した従業員は70歳まで面倒を見なさい、ということです。

今のところ努力義務とされていますが、今後義務化されることも間違いないでしょう。

元々55歳だった定年が60歳に義務付けられたのは1998年(努力義務は1986年)。
この時、働き盛りの年齢に差し掛かっていた団塊の世代です。
この年代のポストを確保する為に、主に大企業で採られたのが『役職定年制』、
中小企業でも中堅若手への世代交代が進められました。

続いて60歳から65歳までの雇用確保措置。
2006年以降義務付けられましたが(65歳となったのは2013年)、この時働き盛りの年齢に差し掛かっていたのが、団塊世代ジュニアです。
中堅若手への世代交代を進むよう、60歳になると一旦退職。
責任が軽くなって継続雇用とする企業も多かったと思います。

いずれも次に続く世代がいたのですが、今回は違います。
中堅から年齢が若くなるほど、人材が少なくなります。

これまでのような世代交代でなく、ベテランにも活躍し続けてもらわないといけません。
同一労働同一賃金もあり、70歳まで頑張ってもらう為の取組を必要があります。

一方で、ある程度の年齢になると急激に働く意欲が低下する人たちも一定数はいます。
そこで必要となるのが、出来ない人材には退場いただく、出口戦略の整備です。

やる気が無い、成果を出さない、周囲に良い影響をもたらなない、
このような方は今も社内にいるかもしれませんが、70歳まで続くことになるんです。

出来る人材は、途中辞めること無く長く活躍し続けてもらう(定着させる)

出来ない人材には退場していただく(出口戦略)


この2つを解決するのが人事評価制度です。

■中小企業が人事評価制度を導入することで得られる2つのメリット

良い人材を定着させる

en人事のミカタの『転職理由(退職理由)のホンネとタテマエ』によると、社員が辞めるホンネの理由上位5位は以下となっています。

1位 報酬を上げたい 57%
2位 上司と合わない 48%
2位 職場の人間関係が合わない 48%
3位 評価に納得できない 48%
5位 会社の将来に不安を感じる 37%

大きく分けると、「給与・評価(成長意欲)」と「人間関係」の2つになります。

更に、転職理由別で、転職先での満足度(定着・活躍につながる)を出してみたところ、
「給与・評価(成長意欲)」で退職した人の満足度は高く(定着、活躍している)、
「人間関係」で退職した人の満足度は低い(定着、活躍していない)
結果になったそうです。

つまり、会社に貢献してくれる社員を評価し、昇給していく仕組み(人事評価制度)を構築し、しっかりと運用していくことが良い人材を定着につながるということです。

この内容の詳細はこちらをご覧ください。
  ⇓      ⇓       ⇓

出来ない人材の出口戦略

定年や契約期間満了以外に、会社と社員との契約(雇用契約)の解除の仕方には、大きく2つの方法があります。

・解雇 … 会社側から一方的に契約を解除する
・辞職(自己都合退職) … 社員側から一方的に契約を解除する


出来る人材には、辞職(自己都合退職)されないよう人事評価制度を構築する、そんなことを先ほど述べましたが、これが出来ない人材となると全く逆になります。

辞職(自己都合退職)してもらいたいのに、そういう人材ほど決して自分から辞めると言いません。
かと言って、解雇となると解雇権の濫用という大きな壁が立ちはだかります。

社員30人規模までの会社の場合、
「辞めてしまえ!!」
社長の一言で解決してしまう場合が多いのですが、
専門家の立場としては怖すぎます。

労働基準監督署ならまだいいのですが、
ユニオンやマスコミにでも駆け込まれると、困ったものです。
このブログをご覧いただいている経営者の方は、決してしないで下さい。

そこで第3の方法として合意解約、出口戦略として整備すべき2つの方法があります。

■出口戦略2つの方法~退職勧奨とPIP(業務改善プログラム)~

1 退職勧奨
対象者を選定し「退職加算金」を支給することで、文字通り退職を勧奨する方法。

2 PIP(業務改善プログラム)
Performance Improvement Programの略。
対象者を選定し、一定期間(通常は3~6か月)目標を設定して集中的に取り組む方法。
業務改善が見られた場合は引き続き従来の業務をしてもらう。
業務改善が見られない場合は配置転換等。配置転換する部門が無い小さな企業の場合は、数回繰り返したうえで退職勧奨へ。

詳細は割愛しますが、簡単に説明すると以上です。
出来ればこのような方法を採らないで済むならばそればベストですが、
・やる気が無い
・成果を出さない
・周囲に良い影響をもたらなない、
このような社員がいるのに放っておくのは問題、そこでこれらの方法を、必要となればいつでもやれる体制を作っておきましょう。

退職勧奨、PIP(業務改善プログラム)いずれにも共通するのが『対象者の選定』です。

対象者を選定するからには、客観的な理由が必要。
そう、人事評価制度が客観的な理由になります。

■まとめ

以上、今回は人事評価制度が必要な理由について説明しました。
ところが、人事評価制度を作ればいいということではありません。

当社労士事務所は大阪府堺市東区を中心に様々な企業の問題に取り組んでおります。
私は様々な企業の人事評価制度を目にすることが多いのですが、そのほとんどが実に残念な制度になっています。
次回は、人事評価制度の正しい導入の仕方についてお話します。

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