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有期契約(契約社員)を更新しない場合は何日前が適切?伝え方は?

契約社員の期間満了が近づき、更新しない場合、通知方法について疑問を持つ方も多いでしょう。今回は、契約更新の通知方法について詳しく解説します。契約の期間満了に際して、何日前に通知すべきなのか、どのように伝えるべきか、法的な要件を交えて説明します。

さらに、大企業とは異なる、小規模企業の対応の仕方について、社労士が解説します。

1.契約社員と有期労働契約の基本理解

契約社員や有期労働契約に関する基本的な理解を深めましょう。まず、有期契約(契約社員)の法的な枠組みについて詳しく説明します。

契約社員とは?

契約社員とは、企業と労働者との間で契約を結んで雇用される労働者のことを指します。この雇用形態は、一定の期間を定めて雇用されるため、「有期契約」とも呼ばれます。契約社員は、正社員ではなく、一定期間の労働契約に基づいて雇用されるため、雇用条件や待遇が正社員と異なることがあります。

労働契約法に基づく法的枠組み

日本において、契約社員の雇用は労働契約法に基づいて行われます。労働契約法は、契約社員の権利と義務、雇用契約の基本ルールを定めており、労働者と企業の双方を保護するための法律です。具体的なポイントを次のセクションで解説します。

2.契約更新をしない(雇止め)に関する法的ルール

契約社員の雇用において、契約の更新は重要な要素となります。契約期間が満了する際、企業は法的な要件と義務を遵守しながら、契約の更新について検討する必要があります。このセクションでは、契約更新に関する法的要件と企業の義務について詳しく説明します。

契約期間の途中での雇止め(解雇)は極めて困難

まず最初に、契約期間の途中での雇止め(解雇)について理解を深めていきましょう。労働契約法によれば、契約社員の雇止め(解雇)は、相当な理由がなければ行うことができません。契約期間の途中での解雇は、非常に厳格に判断されます。
期間の定めのない労働契約の場合よりも、解雇の有効性は厳しく判断されるとされています。企業はやむを得ない事由がない限り、契約期間の途中で契約社員を解雇することはできません。

契約期間満了での雇止めは30日前までに予告

契約期間が満了した場合、原則として自動的に労働契約が終了します。しかし、契約期間が複数回更新されたり、以下の場合に該当する場合、企業は契約満了から30日前までに契約の更新しない旨を通知しなければなりません。この通知期間は、労働者の権利を保護するために設けられています。

以下の場合は30日前までに予告することが必要です(あらかじめ更新しないことを明示されている場合は除く):

・3回以上契約が更新されている場合
・1年を超えて継続勤務している場合
・1年を超える期間で契約している場合


また、以下の場合は雇止めできないと考えられます:

・契約が反復更新され、実質的に期間の定めのない契約と変わらないといえる場合
・労働者が雇用の継続を期待することが合理的であると考えられる場合


具体的に何回更新されたら雇止めできないかの基準はありませんが、有期契約が形骸化されないよう、毎回契約更新時には丁寧に契約を締結することが重要です。

雇止め(更新しない)の伝え方

企業が雇止めの予告をした後、労働者から雇止めの理由について証明書を請求された場合、企業は証明書を交付しなければなりません。
雇止めの理由は、契約満了とは別の理由にすることが必要です。

雇止めの理由:具体例(有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準より)
・前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていたため
・契約締結当初から、更新回数の上限を設けており、本契約は当該上限に係るものであるため
・担当していた業務が終了、中止したため
・事業縮小のため
・業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため
・職務命令に対する違反行為を行ったこと、無断欠勤をしたこと等勤務不良のため 

しかし、労働者からの請求がない限り、雇止めの予告をするのみで十分です。

1回目の雇用契約での雇止め

1回目の契約で、契約期間が1年以内であれば、30日前の予告は必要ありませんが、労働者の進路や転職活動のために早めの予告が望ましいでしょう。

労働者目線で考えると、次の就職に向けて準備する必要があるため、6カ月以上の契約であれば30日前までに予告するのが望ましいでしょう。あまりに直前になると、トラブルになることもあります。

しかし、3カ月の契約の場合は、30日前の予告(更新の判断)が難しい場合もあります。労働者にとっても「もうちょっと見て欲しい」という感情が湧くかもしれません。そのように考えると、2週間前あたりが目途と考えられそうです。契約のタイミングや期間によって、労働者と企業との調整が求められます。

3.中小企業の場合、実際にどう対応したらいいのか?

契約社員の雇用に関する法的な要件や通知方法について理解したところで、中小企業が具体的に直面する課題と、それに対する解決策について考えてみましょう。

特に、規模が小さな企業で契約社員の雇用を管理する場合について焦点を当てます。従業員が20人以下の小規模企業での契約社員管理は、大手企業とは異なる独自の課題があります。
以下では、これらの課題を解決するためのアプローチと、雇止めに関するトラブルを避けるための戦略について詳しく探求していきます。

20人以下の小規模企業での契約社員管理

従業員20人以下の小規模企業では、従業員との直接のコミュニケーションがより密接です。日頃から社長や経営陣が従業員と接する機会が多く、雇止めの際の伝達方法については慎重に検討する必要があります。

口頭での伝達が有効な場合もあれば、書面で通知することが適切なケースもあります。具体的なケーススタディを通じて、小規模企業向けの契約社員管理アプローチを探求します。

更新しない(雇止め)伝達:口頭でいい?それとも書面が必要?

雇止めの際には、雇止めの理由についても検討する必要があります。特に口頭で伝える場合、ショックを最小限に抑えつつ、適切な理由を伝える方法が求められます。このセクションでは、雇止めの理由の準備と伝達に焦点を当て、労働者との円滑なコミュニケーションを図りつつ、トラブルを回避するための方法を具体的に解説します。

雇止めの理由を伝える際、口頭での伝達と書面での伝達にはそれぞれメリットとデメリットがあります。口頭で伝える場合、ショックを最小限に抑えつつ、感情的な負担を和らげることができます。

特に、中小企業の場合、従業員との直接のコミュニケーションが頻繁に行われていることも多く、1回目の契約で雇止めをする際は、あまり仰々しくせずに「申し訳ないけど更新できない」というような口頭での伝達が有効な場合もあります。しかし、この際にも雇止めの理由を事前に準備し、必要に応じて説明する準備が不可欠です。

一方、書面での通知は文書としての証拠が残り、従業員とのコミュニケーションが円滑でない場合や理由の説明が必要な場合に有効です。ただし、注意が必要で、あまり詳細な理由を伝えることで、本人にショックを与えたりプライドを傷つける可能性があるため、更新しない旨のみ記載するに留めた方が良い場合が多いです。

従業員から「理由を教えて欲しい」と言われた場合、法的に求められている雇止めの理由を記載した証明書を提供するようにしましょう。

このように、口頭と書面の伝達方法を柔軟に使い分け、雇止めの理由を適切に伝えることで、トラブルを回避し、円滑な雇止めプロセスを実現できます。中小企業が契約社員の雇用に関する課題に対処し、スムーズな業務運営をサポートするために、適切なコミュニケーションと準備が不可欠です。

まとめ

今回は、契約社員と有期労働契約についての基本的な理解から始め、労働契約法に基づく法的ルールを解説。次に、契約社員の雇止めに焦点を当て、雇止めの法的要件や通知方法、さらに中小企業での対応策について詳しく説明しました。

また、口頭と書面での伝達方法を柔軟に使い分け、円滑な雇止めプロセスを実現するポイントも強調しました。中小企業が契約社員の雇用に関する課題に対処し、スムーズな業務運営をサポートするために、適切なコミュニケーションと準備が不可欠です。


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