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健康診断の再検査:費用は会社負担?受診義務は?社長の疑問に社労士が解説

社員が健康診断を受けた結果、再検査が必要と診断された場合、会社にはさまざまな疑問や不安が湧き上がることでしょう。
再検査にかかる費用は一体誰が負担すべきなのか、また社員が再検査を受けない場合、会社に罰則が課せられるのでしょうか?

健康診断と再検査に関するこれらの疑問について、明確な解答を見つけることは、企業と社員の双方にとって重要です。本記事では、健康診断と再検査にまつわる様々な問題に焦点を当て、明確なガイダンスとアプローチを提供します。社員と企業が安心して健康管理に取り組むための情報を探求しましょう。

1.健康診断の再検査は社員にとって義務ではない?費用も社員負担?

社員の健康診断結果に「要再検査」という言葉が記されると、多くの社長が不安や疑問を抱くことでしょう。再検査の必要性や費用負担について、社労士の視点から解説いたします。再検査に関する正しい理解が、企業と社員の健康にどのように影響するのか、詳しく探ってみましょう。

健康診断の再検査は義務ではない

定期健康診断は、労働安全衛生法で義務付けられていますが、再検査は法的な義務ではありません。労働者だけでなく、会社側にも再検査の強制は課せられておらず、再検査を受けなくても罰則を受けることはありません。一般的に再検査は自己判断に委ねられており、強制されるものではありません。

再検査の費用、会社が負担する必要は無い

再検査の費用は、原則として会社が負担する必要はありません。社員が自己判断で再検査を受け、その費用は個人の負担としても問題はありません。

しかし、再検査を受けることで健康状態を把握し、疾患の早期発見や予防に役立つことがあります。社員の健康が守られれば、業務への影響を最小限に抑えることができ、労働安全衛生を維持する一環として再検査を検討する価値があります。また、再検査によって生活習慣の改善が促進される場合もあり、社員と企業の双方にメリットがあると言えます。

2.企業の安全配慮義務と再検査の重要性

企業には、労働安全衛生法に基づく形での再検査の義務は課せられていません。
しかし、再検査は社員の健康と安全を保護する観点から非常に重要な要素となります。再検査を通じて健康リスクの早期発見や予防が可能となり、労働者の健康と安全が確保されます。

企業が再検査を勧奨し、その費用を負担することは、安全配慮義務を果たす一環と言えるでしょう。この記事では、企業には法的な義務はないものの、なぜ再検査が重要であるかについて詳しく解説します。企業と労働者の双方にとってメリットのある再検査の実施についてご紹介します。

安全配慮義務:社員の健康が会社にとっても大切

企業は労働者の安全配慮義務を負っています。この配慮義務は、従業員の健康を保ち、業務に支障をきたさないようにするための重要な要素です。

健康診断結果に「要再検査」の記載がある場合、社員の健康状態に気を配ることがなぜ重要なのか、その背後にある健康管理の重要性を解説いたします。

再検査の受診勧奨:会社の安全配慮義務

健康診断結果に基づく安全配慮義務について、厚生労働省の「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」が示唆しています。

指針によれば、再検査又は精密検査の必要性がある労働者に対して、再検査又は精密検査受診を勧奨し、医師等に検査の結果を提出することが適当とされています。これは、企業が従業員の健康を守り、業務への影響を最小限に抑えるための重要な措置の一部となります。詳しくは以下で解説します。

厚生労働省「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」

再検査の勧奨と会社負担の意義

社員の健康をサポートし、労働安全衛生を維持する観点から、再検査の勧奨と、一部負担を会社が行う意義は大きいです。再検査の受診を奨励することで、潜在的な健康リスクを早期に発見し、社員の健康増進に貢献します。また、労働安全衛生法における安全配慮義務を果たす一環として、再検査の重要性は高まっています。

会社が費用の全額または一部負担することで、社員は費用の負担を軽減し、健康に対する意識を高めることが期待されます。このようなアプローチは、社員と企業の双方にとってメリットがあると言えます。

3.再検査費用の現実的なアプローチ

再検査の費用を会社が負担して、社員に再検査を促すことは大切です。ですが、現実的には社員の健康状態に変化をもたらすことが難しい場合もあります。

例えば、アルコールの摂取を控えるよう医師からアドバイスされても、それを実行しないことで、毎年再検査の必要性が続くことがあります。このジレンマについて現実的な解決策を考える必要があります。

再検査費用:社員へのインセンティブと生活習慣改善

再検査の必要性があるにもかかわらず、社員が毎年同じ健康診断項目を受診し、生活習慣改善に取り組まないケースは珍しくありません。

前述しましたように、アルコールの摂取を控えるよう医師からアドバイスされても、それを実行しない社員が多く、その結果、再検査の必要性が続くことがあり、これは企業にとってはコストのかかる問題です。

再検査費用を社員に負担させず、逆に会社が負担することで、生活習慣改善を促す一方で、実効性のある再検査へのアプローチが求められています。

費用負担の段階的アプローチ:会社と社員の共感

再検査費用の負担について、会社と社員との共感を生むために、段階的アプローチが模索されています。現実には再検査が毎年同じ健康診断項目で行われ、生活習慣改善が進まないケースが多いことから、新たなアプローチが求められています。

このアプローチでは、再検査費用の負担を社員と会社で共にすることを提案します。

例えば、初年度は会社が全額負担し、社員に負担がない状態で再検査を受けることができます。しかし、2年目以降は社員も負担する仕組みとし、生活習慣改善への意識を高めます。これにより、社員は自身の健康管理に積極的に取り組み、結果的に再検査の必要性が減少し、会社と社員の双方にとってメリットのある健康管理体制が構築されます。この段階的アプローチによって、再検査の実効性を向上させ、会社と社員の共感と協力が促進されるでしょう。

まとめ

健康診断の再検査自体はm会社に義務が無いとはいえ、社員の健康維持と企業の安全配慮義務を考える上で重要な要素です。しかし、現実には社員が毎年同じ健康診断項目を受診し、生活習慣改善に取り組まないケースが多く存在し、これが企業にとってコストを伴う課題となっています。

再検査費用の問題において、社員へのインセンティブや段階的アプローチを提案し、健康管理に積極的に取り組む社員を増やすことが求められます。社員と会社との共感を生み出し、健康管理の実効性を高めるために、再検査費用の負担について新たなアプローチを模索する必要があります。

現実的な健康管理体制を築くために、企業は再検査の重要性を認識し、社員の健康意識向上と共感を促進する施策を検討すべきです。健康な社員が生産的であり、企業の長期的な成功に貢献できることを忘れずに、再検査費用のアプローチを見直していくことが大切です。


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