あなた(貴社)はどのような時に、社員の給料を上げますか?
日頃、多くの経営者の方から聞く中で、社員の給料を上げるパターンには大きく分けると次の5つがあります。
1 昇給時期に、社員の評価に基づいて給料を上げる
2 昇給時期に、給料を上げる
3 数年に一度、時期を見て給料を上げる
4 求人を出しているのに応募が来ない為、給料を上げる
5 社員から「給料を上げてくれないと辞める」と言われた為、給料を上げる
細かな違いはあるかしれませんが、大体この5つに集約されるかと思います。
また、5つのどれかではなく、併用していることもかもしれません。
では、この5つを欽ちゃん風に『良い昇給』『普通の昇給』『悪い昇給』に分けてみましょう。
欽ちゃんと言っても、昭和世代にしかわからないでしょうが、笑。
まずは『良い昇給』
1の昇給時期に、社員の評価に基づいて給料を上げる、です。
個々の働きぶりや貢献度に応じて約束した時期に昇給する、本来の昇給のあり方です。
評価の仕方はどうかという問題はあるでしょうが、今回は割愛します。
次に『普通の昇給』、2つ当てはまります。
2の昇給時期に、給料を上げる。
昇給額は一律であったり、個々の社員を見て経営者の判断で決めたり、社員間のバランスを見ながら考えたり。
今後見直しをしていく必要はあるでしょうが、悪いとまでは言えません。
3の数年に一度、時期を見て給料を上げる。
創業間もない企業は、昇給を約束できるものではありません。成長の過程として、悪くはないと思います。
優秀な社員が辞める『悪い昇給』
では『悪い昇給は』?
4つ目と5つ目のパターンです。
まずは4の求人を出しているのに応募が来ない為、給料を上げる、を考えてみましょう。
コロナの影響で一気に求人倍率が下がりましたが、中小企業にとって採用は一筋縄ではいきません。求人票を出しても応募すらない、そんな状況が続いている企業も多いと思います。
そうなると、手を出したくなるのが条件の見直し(給料を上げる)。
でもこれは最終的な手段であり、簡単に手をつけるのは問題です。
(同業他社と比較してはるかに低い場合は別です)
貴社の求人を一番見ているのは誰でしょう?
貴社の社員です。
求人を見てどう思うでしょうか?
「私の時より給料が高いやん!」
場合によっては逆転現象が起きることもあります。
「えっ!今の私の給料より高い。どういうこと?」
こうなってしまうと、優秀な社員から辞めていきます。
これを避けるために、社員全員の給料を見直す、という方法もあります。
でもこれをしてしまうと、経営を圧迫してしまいます。
また社員視点で考えても、誰も来てくれないから給料が上がった。
貴社で働く魅力が一気に下がってしまいます。
次に、5の社員から「給料を上げてくれないと辞める」と言われた為、給料を上げる。
これを考えてみましょう。
この場合も、要因は4の場合と同じです。
求人を出しても応募が無い。
やっと応募が来たと思ったら辞退された。
採用力不足の姿を社員が一番知ってます。
そこで「給料を上げてくれないと辞める」と言ってくる社員が現れます。
駆け引きですよね。
辞められると困ってしまうので、受けるしか無い。
ということで、他の社員に内緒でその人の給料を上げるとどうなるか?
きっちりバレてます、苦笑。
内緒でその人だけを昇給するなんて、無理だと考えてください。
では、同時に他の社員も一緒に上げる。
全員は無理だとしたら、その人と同ランクの人だけでも一緒に…
これも複雑なんです。
最初に「給料を上げてくれないと辞める」そう言ってきた人の意図によって異なります。
単に金額を上げて欲しいだけなら、それでOKかもしれません。
ところが『もっと私のことを評価して欲しい』という気持ちが隠れている場合が多いです。
そんな時に、同ランク=ライバルの関係にある人まで一緒に上げると、ますます拗ねてしまいます。もちろん、同時に給料を上げたこともバレてます。
このように悪い昇給をしてしまうと、ロクなことがありません。
「そんなこと言っても、応募が来ないんだから仕方ないやろ!」
そう言われそうですね。
これらの解決方法は、採用力をUPすることです。
ということで、次回からは採用力について取り上げたいと思います。
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